2015年12月16日水曜日

『まんがタイムきららミラク』2016年2月号

『まんがタイムきららミラク』2016年2月号、発売されました。表紙は『幸腹グラフィティ』、リョウと陽さんがですね、焼き芋めぐって、取り合うようにして、じゃれあっている、そんな様子描かれまして、その芋からたちのぼる湯気の暖かみもそうなら、ふたりの上気した頬、吐く息の白さ、そして仲良さそうなその様子がね、とりわけとても暖かく、ああ、いい表紙だな、いい関係描かれて素敵だな、そう思わされたんですね。しかし、この表情ね。ふたりともに、ほんとう、いい。内面からの楽しさ、気持ちのよさが感じられる、そんな表紙です。

『うらら迷路帖』は、奇怪なるものに捕われてしまった千矢。千矢の母との因縁があるらしい。闇の底みたいな場所で、ぐねぐねの黒い手と、ぐるぐるの目玉模様に囲まれて、責められる、逃がさないといわれる。そのイメージの奇怪さ、おどろおどろしさはただならぬもの感じさせて、そして少し明らかになった千矢の母のこと。裏切り者……。名は矢見。その見知らぬ母を思う千矢、危ないと思った時に思い出された紺の占い。それが千矢の開眼に繋がって、おお、これはすごい、まさしく見せ場ってやつだ! 千矢の能力、占いの才が花開いて、そして見通す未知のこと。その描写、千矢の知ったこと。また千矢を襲ったもののこと。わからぬものが一気に増えて、けれどそれがすなわち千矢の成長である。ああ、すごい見せ場であった。これが千矢の今後にどのような意味をもって関わってくるのだろう。わくわくさせるステップでありましたよ。

ビビッド・モンスターズ・クロニクル』、こいつはやられたなあ。サスペンス展開ってやつだ! 夢子とあずき、ふたりが学校でビビモンのこと話していたら、クラスの子、姫李に興味持たれてしまって、私もやってみようかな、いーじゃん一緒にやろうよ、夢子のなにげない一言に、あずき、胸えぐられたようになって、泣いてしまう。友達を増やすチャンスだよ、夢子はそういってくれるんだけど、ああ、あずきの気持ちわかるよ。夢子がいいんだよな。今の状況がいいんだよな。わかるよ。と、ここで前回登場の新キャラが効いてくるわけか。新隊員ヒカリちゃん。チェリムさんちっちゃくて可愛いです〜、って、これ中身が妹だろうってわかってるからおかしいんだけど、そうだよ、あんこたちはそういう状況当然わからないわけで、ヒカリの正体は姫李ではないか、あんこにとっては疑心暗鬼のもととなる。またこれはチェリムにとっても同じで、なんせ妹と同じ名前ですよ。って、すげえ、部屋に踏み込んだぞ! というか、妹と確信させたの、ビビモンの絵か! キャロラインを追ってきた。姉に気付いてないの? そういうところね、逆に姉はオンライン慣れしてるから、そういう発想がないんだろうなあ。光理、千絵理姉妹のオフライン状況、面白くって、いいなあ、この姉妹。そう思うんだけど、私はあんこが心配です。ヒカリのこと、不安を抱えながら、ボンちゃんのことも気を使って、なんとかヒカリに近づけないようにと心砕いて、そんな彼女が心配です。彼女の憂いが解消する日がおとずれますように。そしてキャロライン、ドレスアップ! って、アレクサンダーかよ! そうだよ、このゲーム、ビビモンにも装備つけられたんだった!

『ラストピア』、新連載です。夢から覚めたら記憶がなくなっていた。リッタ・ロンネ。夢の中で話していた相手は誰なのか。なにか大切な約束をしたのか。そうした謎を抱えつつ、目覚めたところでも自分のこと、それがわからぬ謎になっている。目覚めたのはホテルの一室。名前はオーナーのエミが教えてくれた。そして小さな不思議な子、マノ。キーパーソンっぽいな、そう思ったのだけど、夢の中の彼女との関わりは薄そうで、じゃあ、オーナー? って、その線もなさそうで、とにもかくにも謎だらけの第1話であります。オーナーの、距離の近そうなところ、とてもいい感じ。いろいろとよくしてくれて、というのは、エミも昔記憶を失っていたことがあったから? 思い出したの? それとも、なくしたまま今にいたる? ほんと、わからないづくしの第1話であります。

『全裸.zip』、新連載です。ええと、全裸。女の子が全裸。全裸暮らしなんだけれど、常識が皆無というわけではなくて、外には出ない、出られない。全裸だから。裸でうろついたりできないから。全裸さんと、騎士っぽいヘルメットかぶってる女の子、変わりものふたりの会話中心コメディ。いちおうメットさんがつっこみ役なのかな? 全裸さんに服を着るよう働きかけるんだけど、なんだかんだと理屈をつけて全裸を貫こうとする。というか、絵がな、ほぼ全ページ全裸がいる。まあ、肝心なところは隠されてるし、そんなにお色気お色気してる漫画ではないので、なのに当たり前に全裸。ともかく不思議な感じです。洋服は文化、とか、服装が規定する社会的地位とか、そういうものを表現しようとしてるのか? なんて思ったりしたんだけど、多分考えすぎだろうなあ。というわけで、全裸、ナンセンス、ピンチもなんとか乗り切るぜ! メットさんに出てもらうという選択は、ああ、メットさんが受け入れなかったんだろうなあ。

  • 『まんがタイムきららミラク』第5巻第2号(2016年2月号)

0 件のコメント: