2025年4月29日火曜日

『まんがタイムきららフォワード』2025年6月号

 『まんがタイムきららフォワード』2025年6月号、先日の続きです。

『花唄メモワール』

現在令和の花山を巡る梅と結花。梅之家のソースカツ丼を歓喜とともに食べる梅。ソースカツ? 豚カツってことは、これ、梅の豚カツになにかしらの縁があったりなかったり!? と思ったら、このお店の創業は昭和21年。戦後かあ。大正からはちょっと遠いなあ。梅の豚カツを食べた誰かがそのレシピを引き継いで、みたいなドラマがあったりするのでしょうか。

結花との花山散策。あちらへこちらへと寄る、その途中にあの懐かしの澤村ろうそく店もあって、語り継がれる花瀧屋の恩。さらに梅の話も聞かされているっていうんですが、それって大正の!? あるいは令和の? なかなかに含みのある笑顔にこちらもついつい笑ってしまいました。

今回、謎ともいえる含み、他にもありましたね。結花のいう「そのひと」とはなにを意味するのか。奉納舞踊に呼ぶ。そこに大正から令和につながる梅の物語、その帰結などありそうな気がする。そして結花のアドバイスにしたがって、願をかけた梅の大正への帰還。ああ、ここにまたふたたびの藤野との縁が結ばれましたね。

『ウクレア!』

音楽祭出演を懸けた吹奏楽部とウクレレ部の演奏対決。吹奏楽部は体育館で、ウクレレ部は第二音楽室で、といいたいけれど、音楽室はひどい雨漏り。よって廊下を練り歩きます! ちょっとしたイベント勃発ですよ。先頭は我らが空子。空子のリズムキープに導かれる部員たち。ただ行進するだけでなく、ソロの見せ場を際立たせたり、さらにはリペララのフラに触発されての振りつけも。

ただ聞かせるだけじゃない。音楽で、動きで、多くの人を引きこむようにして、長くつらなる聴衆の列。ウクレレ部の5人にとどまらず、集うみんなが笑顔になる。信じあう5人が、仲間の思いに応え、自分の音を奏でることで響きあう音の世界。喜びの輪の広がるその場所では、誰もがしあわせを感じられるとでもいうのでしょうか。大雨もなんのその、盛大な拍手に歓声がわきおこって、そしてそんな瞬間に立ちあうこととなった生徒会長音羽。この子の胸中にも、なにか思いの溢れんとしているがようなのですね。

全力を出し切ったウクレレ部の皆。脱水したり幻覚見たり、疲れはてて寝ちゃったりと、演奏終えてからも大変だったのですが、でもそのがんばり、報われましたね。1票差で吹奏楽部を上回って、ああこの結果、次に繋がっていきますよ。

『しゅがー・みーつ・がーる!』

文化祭にてコンセプトカフェをやることになった美都に甘那のクラス。匿名でのメニュー提案、甘那のレシピがいくつか採用されていて、かわいい、甘々、実に甘那らしいのだけど、これがわかるのは美都ひとり。ああ、このふたりの関係あっての推察ですよ。そして問題がいくつか出てきまして、ひとつはあまりにかわいい衣装を自分も着ないといけないの!? 甘那の困惑。そして、実は調理が苦手! 美都のピンチというのです。

家庭科室を借りての調理レッスン。許可をとるにあたって、自分が教わると嘘をついた甘那。ここでも私を助けてくれる。美都が負い目を感じて、俯きかげんになってしまうんですが、助けているとか迷惑かけられてるとか、そんなことまるで考えたことのなかった甘那です。むしろお互い様だっていってくれた。お返しなんていらないよと眼前の問題にふたり取り組むことになるというこの流れ。ああ、本当に甘那らしいなって、気持ちのいい展開でありました。

特筆すべきはここでのふたりの様子でしょう。問題解決とはすなわち相手のことを理解することに他ならない。それを地でいく描写は本当にすばらしいものでした。美都になにがおこっているかを知り、問題を回避しつつ対処し乗り越えるべき要所を押さえる。甘那の判断の確かさは、それだけ美都をよくわかっているということなんだなって。この子の友達にそそぐ視線の真っ直ぐさ。それが光るエピソードだったと思います。

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