2011年6月7日火曜日

『まんがタイム』2011年7月号

『まんがタイム』2011年7月号、発売されました。表紙のテーマは料理のようですね。『おとぼけ課長』が炒めもの。手前には『らいか・デイズ』らいかが神妙に鍋に調味料投入していて、そして右上には大乃元初奈の新連載告知。ヒロインがメレンゲを作ってるカットが掲載されています。

『放課後のピアニスト』、見事やなあ、いいなあ、眼鏡可愛いなあ。というのはいいといて、レミをめぐる話。昔のレミを知っている人が、幼稚園のころのレミのことを語ってくれる。一緒のピアノ教室に通ってたミチルがレミと再会して、ミチルはピアノやめちゃってるんだけど、けどそれはレミのピアノのすごさのためで、圧倒されたんでしょうね。でも、それで無理だと思ったからじゃない。すごい人がいる、そんな人に会いたい、そうした気持ちを思い起こさせたっていうんですね。今回はレミのピアノ弾いているコマがいくつかあって、その姿、すごくいい。本当に魅力的に演奏しているシーンを描く人。楽しそう、そしてすごく濃密に弾いている、そう思うんですね。だからこそ、説得力もあるのでしょうね。

『スキップAD!いろはちゃん』、大乃元初奈の新作ですね。テレビ局もの。ヒロインはADをやっているいろは。ラーメン屋の取材、映像をしっかり作る、それだけでなく、ラーメンを食べてみてのコメントなど、素直ながらもちゃんともののよさに気付けて、理解して、そんなキャラクターなんですね。明るいヒロイン。おじさんにも気にいられてといった様子。こうやって、いろいろな現場で、気にいられたり、また大変な状況を乗り越えていったり、そうした展開が期待されますね。

『Fever!! — 貧乏レイジの同居人』、これ、めちゃくちゃ面白いです。無愛想な兄さんと、いろいろおかしな幽霊たちとのシュールな生活描いて、しょう油はキツい!! もう、これ、どうしようかと思うくらい面白かったです。いったい次にどんな展開、台詞がくるのかとか、予想がつかない。意外性が見事にきまるんですよね。見た目に地味な漫画なんだけど、その絵柄もまたこの味わいに貢献してると感じます。で、『Fever!!』は終わっちゃうんですね。ちょっと残念。けど、次号に載るという新作、それもちょっと楽しみで、面白いものだったらいいなって期待しないではおられん、そんな気になるのです。

PEACH!!』、最終回でした。武田が温泉旅館に本気を出した。なるほど、前向きな最終回を用意してきたのだなあ。広能と武田の気持ちをおもんぱかって、桃の湯を後にする岩井。明るく見送る広能に寂しさ覚えたけれど、実はそうじゃないんだってわかる。そんな展開にはぐっと胸がつまって、そして最後のページですよね。多くは語らない。けれど、それは充分に物語って、涙をしぼりました。容易に言葉にできない、そんな思いに打たれて、しばらくこのページを眺めて、感慨にふけっていました。自分の場で、自分の暮らしを大切にしよう。自分にできることをしよう。そうしたことが、語られてた、そんな風に思われて、すごく前向きな最終回という感想を、なお強めることとなったのでした。

  • 『まんがタイム』第31巻第7号(2011年7月号)

引用

  • 城戸みつる『Fever!! — 貧乏レイジの同居人』,『まんがタイム』第31巻第7号(2011年7月号),183頁。

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