2010年10月13日水曜日

『まんがタイムラブリー』2010年11月号

『まんがタイムラブリー』2010年11月号、発売されました。表紙のテーマは、中央に大きく琵琶を持ったことみ先生が印象的。しかし、これは七福神? 雛祭り? と思ったら、そういうことではないみたいですね。芸術の秋? まわりには箏、能管、そして鼓と揃いまして、それぞれ『あねざかり』、『ただいま独身中』、『夏生ナウプリンティング』です。そこに『少女カフェ』のみお、つくしふたりが舞で参加するという、和もの一色、いい表紙でありますよ。

『ぐだぐだしている女子高生の放課後 略して ぐだじょ』。ふと思ったんですけど、この漫画でぐだぐだしてるのははねる先輩ただひとりで、ゆかりも志摩子もふたりとも部活やったり、しっかりしてるよな。そう思った今回の『ぐだじょ』、テーマはゆかり、志摩子の所属するテニス部の風景であります。

まだ登場人物の浸透をはかる段階にあるのでしょう。瀬名ゆかり、津野志摩子、湯の川はねるとフルネームで紹介されて、また名前だけでなくその人となりもわかる、結構丁寧な導入がなされています。すごくありがたい。しかし、扉ですよ、扉。ちっこいはねる先輩が走りまわってる、これが可愛くて、いやあ、はねる先輩大好きです。そして本編、ふたりが練習試合に参加すると聞いて応援にいくよというはねる先輩。迷惑そうにしてるテニス部先輩とつっしー、嬉しそうなゆかり、差が面白いです。でもって試合当日、やっぱり迷惑なゆかり先輩、すごくいいですね。テニス部の先輩がよくわかってるっていう、それもいい。けど一番いいのは、ゆかりの好プレーに嬉しそうな先輩(やっぱり迷惑)だったり、打ち上げに誘われてものすごく嬉しそうなゆかり先輩だったり、このなんか気持ちがふわふわしながら高揚してる風なところ、すごく楽しいんですね。

『愛myファミリー』、すごく気にいってます。翔くんが大人というか、雫をあたたかく見守り受け止めてくれている、それがすごいなって思いつつ、その包容力ゆえか雫がすごく自由にいろいろやってみせられるっていう、奔放さを発揮できるという、そういうバランスがいいなって思います。で今回は、お菓子食べてパフェ食べて、しかしそれがすごく仕合せそうというか、可愛いなって思うわけですよ。その後のお菓子作りで失敗、お弁当でも失敗、でうまくいったのだけ出すっていう乙女心も可愛ければ、それで太っちゃったっていうのもよかった。あの、ホックが壊れて驚いてるコマ、あれが妙に可愛いなと思いました。自由奔放とその結果、うまくまとまって面白かったです。

『この街のハテ』、いい展開です。お爺さん退院。それで同居、という話にはなかなかならず、親の気持ち、子供の気持ち、その擦れ違い、ええ、こういうのありますよね。よかれと思っていうことを、そんなのはいらんとはねつけられる。親子というのはこういうものなんでしょうか。向こうからしたら、こちらが気まま。こちらからしたら、あちらが勝手なんでしょうね。難しいですね。で、そうした状況を背景に、ハテさんがどちらの家にいくのだろう、そうした葛藤、ハテさんの葛藤やイズミの葛藤描かれて、いい話だなあって感じましたよ。あるいは、親と子の関係と祖父と孫の関係、その距離感の違いみたいなものもあったのかなあ。いろいろ思わさせることがあるのは、どこかここに描かれたことを、ただ他人事として見ることができなかったからかも知れません。

『放課後のピアニスト』、いいですね。増ページだそうですよ。嬉しいです。ララ先輩のおうちにピアノがやってくる。その嬉しさが、ハイになったララ先輩から感じられて、のっけからすごく楽しい。で、ピアノにサイン書いてっていうの、驚く展開だったのですが、ララ先輩はピアノ部の皆がプロになるって信じてるのか。でもってソラの心配、これはすごくよくわかる。そしてソラの気付き、ああ、これもそのとおりだと思う。私はソラにすごく共感します。まるで自分自身を見るようで、だからこそこの漫画が気になって、気にいってるんだろうって思うのですね。ええ、ほかのことを全部捨ててでも邁進できる、ええ、それはすごいことだと思います。

  • 『まんがタイムラブリー』第17巻第11号(2010年11月号)

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