2010年2月4日木曜日

『まんがタイムジャンボ』2010年3月号

『まんがタイムジャンボ』2010年3月号、本日発売です。表紙は『じょしもん』から、肉まんを食べる美々が大きく中央に、そして周囲に、コーヒー飲む朝倉さん、おでん食べるサフォーク、そして鯛焼食べる『レーカン!』ヒロイン天海響が配置されています。しかし、新作あり、最前線から退いたものあり、そして終わりゆくものあり。この表紙にさえ、悲喜こもごもの感情が兆して、ええ、今『ジャンボ』は過渡期にあります。

『中2限定!?ガールズトーク』は、乙女ゲーに興じるお嬢さんたち。いや、しかし、ゲームの台詞で大ダメージうけたりするのってね、そんな大げさな! っていいたいが、実際あれはダメージが大きい。なんでゲームの台詞で打ち拉がれなきゃならんのだ、ってくらいにやられることは普通にあって、でもそうした感情も含めてこうしたゲームの楽しみなんでしょうね。そしてにやにやでにまにま。ああ、人生にはマスクが必要です。インフルエンザの予防にもなります。ちっとも不自然じゃないよ。

『あまぞねす?』、なんともいえず好きな感じです。楓の目が点になってる表情、あのふにゃーってなってるとこが好き。あの、ユカちゃんブログ始めたの?のコマですね。しかしブログはなんの役に立たなくてもいいのです!!といいきられると、いっそすがすがしいものがあります。いや、ありますのダ♪ やったね☆

きびしいものがあるな……。

扱われるエピソードは、そんなに突飛でもないし、普通にあっておかしくない、そんなのであるのに、独特の会話ののりがそこに楽しさ面白さを加えてくれています。役に立たなくていいって自分でいったのに、役に立たないっていわれて怒る、焦るとかね、ああいうやりとりが素敵です。

あおいちゃんとヤマトくん』、こいつは驚きました。近づきそうなことがあっても、なんとなく踏み込めずにいた、そんなふたりであったのに、ついにヤマトが、ヤマトが! 一歩を! いやしかし、そこでこうした展開に入るとは思いもせず、すんなりとはいかないとは思ったけれど、こうも意外な台詞にて終わったところ、え、どうなるんだろう、どうするんだろう、ただただ驚きました。ほんと、どうなるのでしょう。

『秘書メロ♪』、森ガールってああいうお嬢さんのこというのですか。森の中で、力強く薪を割ったり木を切り倒したりしてその力を誇示する、そんなお嬢さんのことだと思ってしまってました。そうかあ、こういうスタイルが森ガールなのかあ。これは好きかも。布が多いから。しかし、明智主任、人気ものなのか。佐伯さんと北斗さんが取り合ったりする? いや、現状なら、佐伯さんがそういう風でないか。けど、今後に関係してきそうなふりであったと思います。

『ハコベエ』、3ヶ月連続ゲストの第1回? 前回は0回目とカウント? ちょっと謎を感じつつ、ヒロインかんなの働きはじめの光景。実際にお客さんを迎えたとかではないけれど、その前段階、お店の人たちとの交流までが描かれて、しかしカモメのハコベエがこの店の質を支えているってのはおかしくていいなあ。それはそうとスミレさん。油断すると、姉ではなく母親と思ってしまう。いや、ほんと、ごめんなさい。

『すいーとプロミス』、渡辺志保梨の新作です。従姉妹と同居することになった主人公光介。年上の綾芽姉からは好意を寄せられて、そして年下の椿からは結構厳しく遇される? ちょっとどきどき同居もの。ベタといえばベタなパターンだけれど、悪くはないなあ、きっと渡辺志保梨のことだから、一般のハーレムものとは一線画したものを打ち出してくれるんじゃないかなっていう予感がして、つまりは期待でいっぱいです。

『ひめとりものがたり』、かわちりえこの新作、ゲストです。家具屋まねき堂の若き店主、かぐやを主人公とした店舗もの? けれど店には猫がいっぱい。猫の可愛さを表に押し出しつつ、お店にきた人に良縁を結ぶ? そんな猫と人情描く漫画になるのかな。猫がたくさんいる、その光景だけでかなりの魅力かも知れません。以前の猫の漫画に比べ、個々の猫の個性は弱いけれど、それは人間の側に焦点をあわせようということからかな、なんて思って読みました。

ボクの社長サマ』、ドーム球場を借り切っての物産展からテレビショッピングに移行するという展開、こういう大騒ぎあるいは悪ノリを描かせれば、あろひろしは最高だと思います。そして今回は二本立て。「休日。」は、この人いったい誰? と思わせて、きっと小森くんに身近な人だろう。素晴田さん!? と思ったけど、体型が違う。じゃあ、あの人か! と思ったら、まさしくそのとおりでした。でも、わかったとしても、充分に面白く、楽しませてくれました。ところで、女ですが坊主頭にしたいんですなんて相談を今日読んだところ、ものすごくタイムリーで笑ってしまいました。ええ、すごい偶然です。

なのはなフラワーズ』、モーリーの別れを知って、なんだかしんみりとするなのはな荘。なのに、私は青ちゃんのデジカメがGR Digitalだっていって喜んでいて、最初、かたちでもしや! と思ったら、メーカーロゴまでちゃんと描かれてびっくり。なんだか嬉しいなあ。そして、モーリーの健気さがわかる展開に、やっぱりじんとして、胸が熱くなって、いい漫画だなあ。もう、クライマックスといってもいい地点に立っているのかも知れない。そんな様子に、寂しさを思いながらも、しかしやっぱり暖かみの感じられる、いい漫画だなあって思う瞬間がたくさんあって、本当、大好きです。

『パドラーズハイ』、今回は外に出てのラフティングであります。今、漫画の中での季節は何月なんだろう。真冬というのは考えにくい。夏前? 秋口? ちょっとわからないけれど、制服が長袖だから真夏ではない模様。ということは、水温が低いとドライスーツなんでしょうね。そして、川下り。ボールを拾ったり、水に浮いてみたり。交流あり、気持ちよさの表現ありで、私が好きだっていうのは、このへんなんですよ。そして、より一層に好きだというのが、川下り、ラフトを懸命に操り、格闘する、けれどそれが楽しいっていう、まさにラフティングの状況描かれるところなんですね。大変そう、けれどものすごく面白そう。溌剌として、魅力があふれかえっています。

で、先月もちょいと触れてましたけど、半裸女子高生とか描かれてもいやらしくなったりしないっていうの。いや、つまり裸の魅力で読者釘付けとかするんじゃなくって、ラフティングというスポーツの魅力、そして彼女らが最高に楽しんでいるという様子でもって充分に勝負できるのにってって思っています。けど、もしこれが必要というのなら、しかたないのかなあ、などとも思うのですが、私には裸は必要ないっていうのは確かであるようです。でも、あったらもちろん見ます。しっかり見ます。当たり前じゃないですか。

『でり研』、大仏くんがでり研に入部して、いよいよ話が動き出すのかなってところ。けれど、まだ状況や登場人物の紹介、序盤の、これからどうなるのかなというわくわく感を残しています。しかし、海原さんの姓を見て、これはあれか? と思ったら、まさにあれで、しかしおいしいものには素直な海原さん、可愛いなあ。とはいえ、私も井ノ頭さんみたいな人には弱いです。ちょっと寂しそうにしてる人とかね、もうね、ちょいと抗えない魅力みたいなものがあるので、日々気をつけています。

『しすコン!』、ゲストです。妹の結婚に触発されて婚活とやらをはじめた美紀。けど、うまくいかない。まあ、妹から、幼なじみから妨害されてるからなんですが。でもさ、こうやって状況を後に後に先送りするばかりでいいんだろうか、ケンちゃん。いや、よくない。若い時間は今だけだぞ。言えたら苦労しないよって、いおうよ。ただあかんたれなだけじゃないか。ってなわけで、この状況を維持したまま、鈍感な美紀とあかんたれなケンちゃんの、くっつきそうでくっつかないようで、きっと最後にはくっつくんだろうなっていう、ある種王道のラブコメ展開。わりと楽しんで読んでいます。

Boy’sたいむ』、ちょっと、ちょっと待って欲しい。寮長の卒論はまあいいんだ。これ、書けなかったら放校じゃないのんか? なんて思ったりしたんだけど、まあそれはいいんだ。問題は置島くんですよ。気付いた? 知っちゃった? 見ちゃった? うらやましい! じゃなくて、男のひろむが好きだったんだろ、置島。望まない現実にショックを受けて、うめくほどに困ってしまって……。置島の恋、破れる! ひろむ、お前、女だったのか!? お、俺は、男のひろむが好きだったのに!

いや、実際どうなるんだろう。いや、ほんと、どうなるんでしょう。この状況に気付いていないひろむ。もう少し波乱は続きそうです。

『ダブルパティシエール』、最終回です。まさこ姉さんの結婚式を前にして、ちょっと成長したかほの姿もあって、これまでのもろもろ、少しずつ変わりながら前に進んでいくのですね。かほの以前の彼氏、あの人との復縁などあったりするのかなと思ったこともありましたが、そういう展開は予定されていなかったみたいですね。むしろ、あきらめの悪い男みたいな扱い、そのシビアな発想は私にはない、ゆえにちょっとよいと思えるところでした。そして、最後のコマに向けての展開、あれはいいですね。白衣で参列したというところ。ケーキづくりに没頭していたっていうところ、いいなあって思える、そんなラストでありました。うん、魅力的なヒロインになったと思います。

『子うさぎ月暦』、最終回です。さよなら、またねとのこと。またねがあるなら、本当にお願いしますよ。そして本編、ミセスコリーに接近して、けれど失言で大失敗するサフォーク。最後までいつもどおりといってもいい。そんな様子、よかった。いや、あわれかも知れない。けど、ずっとそうしてきたように、これからも暮らしていくのだろうなと思えるラスト。嫌いじゃないです。そして、好きな漫画が終わるということに関しては、やっぱり寂しさ感じずにはおられません。もっと、ミニ様と、そのまわりで成長を見守っている暖かな人たちの物語、見ていたかったなっていう気持ちが拭えないのですね。

けど、いつまでもめそめそいってるのもいけません。ええ、お疲れさまでした。またお会いできるなら、その日を楽しみにしたく思います。

  • 『まんがタイムジャンボ』第16巻第3号(2010年3月号)

引用

  • 早野りんた「あまぞねす?」,『まんがタイムジャンボ』第16巻第3号(2010年3月号),23頁。
  • きむる「しすコン!」,前掲書,138頁。

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