2009年7月9日木曜日

『まんがタイムきらら』2009年8月号

『まんがタイムきらら』は本日発売です。8月号、表紙は『けいおん!』、水着の唯と澪が並んだ構図で、ええと、作者はちょっとふっくらした女性が好みなのでしょうか。全体に肉付きのいいという印象があって、それは本編においても同様。おおっと、本編については、後で書きます。まだ、ネタばれ緩衝地帯を通り過ぎてないので、本編には触れません。というわけで、ちょっと小耳に挟んだんですけど、アニメ『けいおん!』で山中さわ子を演じた真田アサミさんって、でじこやってた人だったんですってね。わお、全然気付きませんでした、って、そんなに『デ・ジ・キャラット』に詳しいわけでもないので、それも仕方ないといえば仕方ないんですけど。

しかし、どこででじこのうんぬんいう話を聞いてきたというんでしょう。それは、巻頭のTVアニメけいおん! 最新情報ページであります。いやね、三上小又氏によるアフレコリポートにそれっぽいことが書かれていて、それで調べてみたらそうだったというね。へー、知らんかった。リポートで描かれていたのは、梓初登場というところから推測するに、第8話「新歓!」っぽいですね。ああ、あの話はよかった。あの、『わたしの恋はホッチキス』が — 、って書きはじめるときりがないので、次いきましょう、次。ガヤ録りの様子、なんか楽しそうだなあ。

けいおん!』。ああ、夏はきついですね。なんか、太陽が極大期から極小期に入ったんじゃないかって、だからこれから寒冷期がくるんじゃないかって、そんな話が出てますけど、夏が過ごしやすくなるんだったら嬉しいかも。いや、不作とか疫病とか、問題もいろいろあるから、喜んじゃいられないんだけども。マウンダー極小期! 漫画に戻りましょう。部室の暑さをめぐる騒動ですが、8ページで主要キャラそれぞれに見せ場用意して、大きな流れも、お約束的パターンもきちんと意識して、しかも音楽についてのネタもあって、これはいい、これはいいです。いい感じにまわっている、そんな回が続いていると思います。でもって、クーラーつらいですよね。私、クーラー大の苦手なんです。気持ち、わかるわ……。

ふおんコネクト!』は、渦中の問題をダイレクトにうけてみましたっていう感じがして、ちょっとぎくっとさせられました。『ふおん』は、ホワイトカラーエグゼンプションがそうだったように、時事の話題をのせてくることもあるんだけど、そうしたものや小ネタへの傾倒があまりに強くなりすぎると、それはそれで読んでいてしんどい。正直いうと、今回はちょっとしんどかったです。でも、それでもまじめにこのことについて声をあげたかったんだろうなと思った。これを受け付けないっていう人もあるだろうってわかりながらやったんだろうなって、そんな風にも思った。だから、私もまじめにうけてみようと思う。しんどいと思いながらも、この態度には敬意を表します。

ややこしい話を飛ばす

ヒステリックな言説に流されて、ちゃんとした議論も話し合いもなされないまま、なしくずしに絶版された絵本とか過去にありました。あの時は、人種差別というものが題目でしたっけね。しかし、そこに本当に差別的な表現があったのか、それが差別を拡大するものであったのか。そうしたことを疑問に思う人も多かったというけれど、異論を唱える声はかき消されるようにして排除され、そして本は絶版されました。そしてそれは、市場から消えただけでなく、公共図書館からも消えた。すべての図書館がそうであったかはわからないけれど、少なくとも私の調べた図書館はそうであった。その本が本当に差別的であったのか、そうしたことを検証する機会さえ失わせてしまうほどに、あの時の状況は急進的でヒステリックでした。

あの時も盾にとられたのは人権でした。けれど、いったい誰の人権が侵害されていたのか。ただ不快と思った誰かがいて、その誰かが自分の思いを遂げるために、筋違いな「人権」を全面に押し立てただけなのではないか。あの騒動で失われたものはあまりに大きかったと思っている私には、やはり今回のヒステリックと思える、また筋違いとも思える騒動は、好ましいものではありません。

私は司書の資格をとって、いっとき図書館で仕事をしていました。図書館について学ぶ、その過程で図書館の自由に関する宣言というのを知りました。私の好きな文章です。ここに少し引用します。

第4 図書館はすべての検閲に反対する

  1.  検閲は、権力が国民の思想・言論の自由を抑圧する手段として常用してきたものであって、国民の知る自由を基盤とする民主主義とは相容れない。

     検閲が、図書館における資料収集を事前に制約し、さらに、収集した資料の書架からの撤去、廃棄に及ぶことは、内外の苦渋にみちた歴史と経験により明らかである。

     したがって、図書館はすべての検閲に反対する。

  2.  検閲と同様の結果をもたらすものとして、個人・組織・団体からの圧力や干渉がある。図書館は、これらの思想・言論の抑圧に対しても反対する。

  3.  それらの抑圧は、図書館における自己規制を生みやすい。しかし図書館は、そうした自己規制におちいることなく、国民の知る自由を守る。

そして、こうまとめられます。

図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。

今日、たまたま読んだ漫画にこういう台詞がありました。

逆境に負けず這いあがった者こそ
文化の担い手にふさわしい……!!

今が逆境であるのなら、今をこそ踏み止まって、打てる手、策を講じるべきなのだと思います。そう思っている私には、ある種直球で勝負をかけたように見えた今月の『ふおん』は、評価しないではいられない。それは、漫画自体への評価とは違う軸なのかも知れないけれど、しかしこの表明を見過ごしにはしたくない、そう思うから、応援する! ここにその表明をしておきたく思います。

かなめも』、これもアニメ化されて、第1回見ましたよ。思ってたよりも悪くない。そんな印象で、代理が素晴しかった。漫画に戻りまして、今回は結構シビアな仕事の話。でもきっと、実際にこうしたことはあるんだろうな。ライバル他紙への攻撃とかもそうだけど、とられちゃったりとかね。でも、この漫画では誰も悪い人はいなかった。いや、帽子にしたりおいしく頂いてる人はあったかも知れないけど、今回の件に関しては、ちょっと微笑ましい、そんなところに落ち着いて、いや、頼みますよ、飼い主さん、って気持ちはあるけど、でも誰も悪い人はいなかったんだ、そうしたところはちょっと和やかでさえあって、悪くなかったと思います。いや、まあ、振り回された面々にとっては、微笑ましいも和やかもあったもんじゃないって話だとは思いますけどね。ただね、代理はあの悪い顔してる時が最高だと思うんだ。

ゆゆ式』は思いがけない懐かしのネタ。あれ、大はやりしましたよね。こういう突然のネタふりに対応してもらえると、なんだか嬉しいものがあります。おお、わかってもらえてる! みたいな嬉しさだと思います。今回の部活は鯨の話で、私は鯨、結構好きなので、鯨本なんかも持ってたりして、海洋生物ってなんかロマンがあります。よくわからない、本当にわかってないことも多いんだけど、けれどそれがいいんだろうと思うんですね。でもって、最後に前回の流れが決着して、そうかあ、友達になったんだ。よかったよかった。素直にそう思います。

『天然あるみにゅーむ!』、学校のプールが川、っていうのはなんかすごい。本当にこういうところあるのかな? それとも想像の産物? いずれにしてもいいなあ。こういう自然を利用していますって感じの描写、なんだかいい味を添えていて、とてもいいと思います。『三者三葉』は、双葉と辻兄が大接近!? な、なんてこった……。でも、どう見ても鴨られてるようにしか見えない。なんか、不憫な兄だなあと思います。

『ましゅまろ×タイフーンッ』、テンポよくって面白かったです。ちょいエロ? 無防備で大胆な友達に振り回される気弱なヒロインといった感じで、このヒロインの困り顔がたまらんという人には、もうたまらん漫画だろうと思います。

こどもすまいる!』、扉に向かう流れ、素晴しい。いつになくシリアスな表情のみく先生は、ちょっと大人っぽくて、ちょっといい感じ。でも、あの黒のタートルしばりっていうの、夏には暑そうにも思うけど、でもスタイルとしては悪くないなって思います。うん、そのままのほうがいいね! どたばたとネタ盛り込みながら、最後に仕事優先っていう内心を吐露する、この展開が好きです。

『空の下屋根の中』がゲスト掲載されて、単行本の宣伝できたんだと思いますけど、ええと、カラーの表紙、色合いが暗い! 死体みたいとはいわないよ? けど、そのくすんだ色合いは、投げやりな感じを一層強調して、うわあ、なんだろう、たまらん。本編は、ちょっと昔の話。まあ、ついこないだって感じでもありますけど、現実に打ち拉がれている、そんな彼女がいたましい。いや、でもなんかわかるような気がするんですよね。私もがんばらないといけないんだけど、明日明日と先延ばしにしてきて、そして明日明日と先送りしていくのかなって思うと、ああもう、駄目だね! ということで、私もちょっと求人に応募してみました。いやね、ちょっと面白そうな仕事があったから、やさを変えようかと思って。けど、落とされるんだろうな。こんな具合に、自分は駄目だ、それどころか社会は自分と離れたところで動いている、そんな風に感じてしまうところ、もしかしたらかなえもそうなんだろうなって思えて、ひとごとのように思えないんですよね。というわけで、7月27日発売の第1巻、頭っから読んで、だんだん社会にかかわるようになっていく、そんな彼女の姿を見て、応援しつつ、自分も元気出していこうと思います。

『境界線上のリンボ』、きっとこうなんだろうな、こうなるんだろうなって思ったように展開して、けれどそれはありきたりというよりも、望ましい展開であった、そのように感じるものでした。自分のあまりに強すぎる力を怖れるあまり、娘に触れることができない。それは、あくまでもお話であるけれど、しかしそうした不器用な話はどこにでも転がっているんじゃないだろうか。傷つけることを怖れて、人と深くかかわることができない。傷つけない、そう思っての行動が、逆に傷つけてしまっている — 、切ない寓意であったと思います。

この漫画は、ファンタジーの顔をして、けれどその実、現実的な問題意識も持っている、そんな感じを持っています。それが本当かどうかはわからない。けれど、ここではないどこかの世界を描いて、そこに私たちに通ずる心情を浮かびあがらせる。それはとてもいい触感である、そのように思うから、私はこの漫画が、読むほどに好きになっていって、ええ、好きな漫画です。

と、ここで今日は中断。続きはまた明日!

  • 『まんがタイムきらら』第7巻第8号(2009年8月号)

引用

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