2009年2月5日木曜日

Astor Piazzolla

 先日、サックスのCDを買おうと思ってCD店にいったら、なぜかジャンゴ・ラインハルトとアストル・ピアソラを買ってしまっていたという話をしていました。実はその時の話を読んだ友人から、ジャンゴを買っといてといわれましてね、じゃあついでにルイ・アームストロングも買っとくか。さらに増えた。買いすぎです。って、単価が低いからいいんだけど、しかし各10枚セットのボックスです。聴くだけでもえらい大変で、こうしてBlogの更新にかかる時間を利用して聴いていたんですけど、それぞれ五日くらいかかってるんですね。なので、本当に少しずつ聴いて、そして30枚全部聴き終えて、いやあ、いい買い物でありましたよ。特にピアソラは気に入って、寝室に持ち込んでまで聴いてたくらいです。

しかし、なにがそんなに気に入ったのか。それは、やっぱり音楽の質でありましょう。10枚入りのBox、購入額は1680円。そんな安価なシリーズ、正直音質とか期待していなかった。音が出れば充分くらいの気持ちでいたのが、しかし見事に裏切られて、結構いい音していて驚き、そして音楽の魅力は掛け値なし。しびれました。

はじめ、まだジャンゴを聴き終えていなかった頃、持ち歩いているiPodのシャッフルに聴いたことのないピアソラが現われて、あ、10枚組だ。ただ漫然と聴いていただけだというのに、はっと気持ちがとらえられた。そんな鮮烈な印象が記憶に残っています。この体験があったから、きっと期待していたんでしょうね。ジャンゴを聴き終えたら、ピアソラを聴くんだ。そう思って、ようやくその時がきて、聴くアルバムはタイトル順。最初に聴くこととなったAños De Soledad、表題曲であるAños De Soledadが最高でした。サクソフォンのソロが胸に迫って、うわあ、こんな風に吹けたらいいなあ。俄然、サックスの練習に熱が入るようになった。それは実にいい影響であったわけですが、まさかジャズ向けのマウスピースを買っちまうというのは予想外でした。サックスを吹いているのはArturo Schneiderという人で、本来はフルートを吹いている人みたいですね。だからか、調べても全然情報が出てこなくて、YouTubeにフルートを吹いている映像があったりはしたんですが、サックスに関しては皆無。音源に関する情報も出ない。当然どんな楽器使ってるとか、マウスピース等セッティングはどうだとか、そういう情報も出ない。残念ですね。もっと、いろいろな演奏を聴いてみたかったんですが。

この10枚組は、音質のいいディスクがあれば、正直あんまりというものもあって、また同じ曲の同じ録音がだぶって入っていたりもして、けれどあんまり気にしてもしかたがない。そうしたばらつきも含めて楽しんでしまった方がよさそうです。なんてったって安価。とりあえず、まとめてピアソラの音楽を体験できる。その手軽さを価値と思うべきボックスでありましょう。火を吹くかのような情熱を感じさせる曲があれば、Años De SoledadAdiós Noniñoのように、切なさ、サウダーデというのでしょうか、そうした感情に溢れる曲があって、非常に多様。そして、そのどちらもが美しく、心を捉えてはなさない。ああ、ピアソラはやっぱりよいなあ。改めてそう思ったのでありました。

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