2007年8月29日水曜日

ようこそ。若葉荘へ

 『ようこそ。若葉荘へ』は『まんがタイムきららMAX』に連載されている漫画で、けどこれ四コマではないんです。だからてっきり別の判型で出るもんだと思っていたら、通常の四コマのサイズで出てくれて、芳文社のコミックスって妙に紙質がいいんですよね。ちょっとありがたかった。っていうのは、やっぱりこの漫画は絵の魅力が強いものだと思っていますから。なにしろ、いわゆる複数美少女同居ものとでもいいますか、主人公の少年沢井健太郎が入居した若葉荘は管理人以下住民が皆美少女ときておりまして、けど少年誌にありがちの展開、まわりの皆が自動的に主人公のこと好きになるみたいな展開はないから、残念だったな沢井少年! というか、そもそもからしてこの漫画は沢井少年の片思いからスタートして、しかしゴールはあるのかな。そんなちょっと悲壮な雰囲気漂わせています。

けど、それでも楽しそうなのがなによりですよ。登場人物は先ほどもいいました、主人公沢井少年。あとは、管理人の東宮院華憐、1号室住人加藤ひなた、2号室住人仲本樹、3号室住人荒井アラシ。ということは志村や高木もいるのか? と思ったら、高城先輩がちゃんといらっしゃいます。志村はまだ未確認、いかりやがいないのは『卒業』以来の伝統でしょう。

さてさて、沢井の東宮院への片思いで始まったこの漫画ですが、今はずいぶんとその構図を違えてしまっていて、だって今この漫画を読んで、誰と誰とのラブコメ? と聞いてみたとしたらですよ、多分十人中十人が沢井と荒井と答えると思う。それくらいに、恋愛の軸がシフトしてしまっているんです。この漫画は、後書き見ますと3話までテストでやってみて、人気があれば続けましょうというかたちでスタートしたみたいなんですが、多分、荒井と沢井が幼なじみとかいう設定は、当初なかったんじゃないかなあと思うんです。それこそ第8話くらいで突然できたという印象があって、連載で読んでいた頃にはずいぶんと驚きました。あれーっ、そんな設定ってあったっけ? そもそも私にとって加藤、仲本、荒井は限りなくモブだったものだから、第13話で仲本がメインに躍り出たときも、だ、誰!? みたいな感じで戸惑って、そんな具合に混乱したりしましたが、もう大丈夫です。今後、加藤メインの話が出てももう戸惑いませんから。

連載では、沢井の妹が登場してくるなど、ずいぶんと動きが出ています。当初はモブとしてしか見てなかった人たちですが、彼女らのいろいろな表情が見られるようになって、沢井→東宮院というシンプルな関係だけでは得られなかったろう面白さも出て、ずいぶんと広がりが感じられるようになりました。基本的にシンプルな、そしてベタな見せ方の漫画ですが、絵の華やかさ、キャラクターの可愛さに、ちょっとシニカルなところも相まって、悪くない感じ。強烈な面白さというのはないけれど、その穏やかな感じさえも楽しみながら読んでいます。

蛇足

私はベタは好きなんですが、眼鏡外すと美少女なんていうベタは嫌いです。

違った、そんなこといいたかったんじゃなかった。

ええと、荒井は正ヒロイン上回る可愛さだと思います。それから、作業中の仲本はあり得ないくらいに可愛いと思います。ごめん、加藤についてはちょっとよくわからない。以上。

  • 阿倍野ちゃこ『ようこそ。若葉荘へ』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2007年。
  • 以下続刊

引用

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