2007年8月25日土曜日

ポケットナイト

   気になってる漫画があるんだ! それは椎名高志の『絶対可憐チルドレン』。残念ながら内容は知りません。知ってるのは、ヒロイン三人が超能力者ってことくらい。それと、裏表紙にBABELって書いてありますね。三人ヒロインでBABEL、なんか違うもの思い出してしまいますが、あ、違う、こっち。けど私の興味は全然違ってて、ええと、表紙の娘、ストレートロングのベレーの娘、めっちゃくちゃ可愛いねえ。新キャラ? 正直、この表紙だけで買ってしまいそうになったのですが、『絶対可憐チルドレン』は現時点で10巻、これ買っちゃうときっと既刊も買っちゃうんだろうなと思うと、ちょっと躊躇しちゃう。なので、多分買わないんじゃないかなと思うんです。どうしたものか迷います。

 椎名高志というと『GS美神極楽大作戦!!』が代表作ですが、自分にはちょっと『GS美神』はあわない感じで、見てたんですけどね、漫画もアニメも。でも単行本を買うには至らなかった。面白かったとは思うし、好きなキャラクターもいないではなかったけど、ちょっとあわなかった。

私にとっての椎名高志は、『(有)椎名百貨店』の頃の椎名高志で、えらい、えらいふるいじゃないか、って、けど時代は平成ですよ? 私が高校生の頃の話、部活の先輩が読めと無理矢理貸してくれたのが『(有)椎名百貨店』の最初の二冊だったんです。面白かったですよ。実に素朴な感じで、ひねりの利いた四コマも面白かったし、ショートストーリーにしても悪くなかった。そんな中、一番のお気に入りだったのは『ポケットナイト』でした。

人間並みの知能が与えられたネズミが研究所から逃げ出した。ネズミのムラマサはひょんなことから人間の女の子あゆみのもとに身を寄せることとなり、そして繰り広げられるハートウォーミングストーリー。こんな風に書くと妙に安っぽく感じられるけど、けどあゆみのムラマサに向ける暖かな視線、それに答えるべく奮闘するムラマサという構図はよかった。ムラマサはあくまでもネズミで、あゆみから見ればペットみたいなものなんだけど、同時に弟のようでもあり、この不思議な関係ゆえに語ることのできる思いなんてのもあったのかな。本当、悪くない、読めば暖かな気持ちになれる、そんな話でした。

『ポケットナイト』は読み切りとして書かれたようですが、人気があったんでしょうね、第3話まで続いて、そのどれもが好きだったのだけど、特に第3話、クリスマスの話、すごく好きでした。仕合せな日常があって、その仕合せが揺らぐかも知れないという局面が描かれて、けどそれがあそこまで説得力あるものになったのは、それまでの2話で積み重ねられたものがあったからだと思うんですね。もちろん第3話だけ読んでも充分によい話だったと思います。けれど私には、ムラマサにとってのあゆみ、あゆみにとってのムラマサの大きさが実感として伝わっていた。だからこそ、命を懸けてあゆみを、あゆみの仕合せを守ろうとするムラマサの必死の奮闘が、一瞬のあきらめが、重く、深く、胸の奥に届いたのだと思います。そしてクリスマスの奇跡。うまいなあと思った。うまいうまくない以前に、よかったとほっとする、そういう素敵さがありました。

  • 椎名高志『(有)椎名百貨店』(少年サンデーコミックスワイド版) 東京:小学館,1999年。
  • 椎名高志『(有)椎名百貨店』第1巻 (少年サンデーコミックス) 東京:小学館,1991年。
  • 椎名高志『(有)椎名百貨店』第2巻 (少年サンデーコミックス) 東京:小学館,1991年。
  • 椎名高志『(有)椎名百貨店』第3巻 (少年サンデーコミックス) 東京:小学館,1994年。

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