2007年3月17日土曜日

風になる

 iTunes Storeお買い物シリーズの第二弾はつじあやのの『風になる』。映画『猫の恩返し』の主題歌で、コマーシャルとかでもじゃんじゃん流れていたから、知っているという人も多いんじゃないかと思います。私は映画見てないから、この歌が映画の世界とどう繋がってるとかはわからないんですが、青春の、というとちょっと気恥ずかしいですが、若い人の溌溂さとか、そういうのが感じられる実にいい歌だと思います。けど、実のところいいますと、まともに通しで聴いたの、これがはじめてなんですよ。

この曲には因縁があるんです。いやいや、そんな深刻なもんじゃないです。もっと馬鹿馬鹿しい話。実は私、随分前のことですが、ウクレレを持ち歩いて練習していたことがあるんですが、だってギターは持ち運ぶにはちょっとかさばりますからね。だからウクレレ。象のかたちをしたウクレレを持って、ちょこちょこって弾いてた。それで、なにかちょっと気の利いたのを歌えるようになれたらいいなと思って買ったのが、つじあやののウクレレ歌集だったんです。ところがですよ、この曲集、なんと楽譜がついてないんです。歌詞があってコードがついてる。けど楽譜はないからメロディがわからない。やられたー。いやあ、同じ頃に発売されたピアノ伴奏付き曲集には楽譜がしっかりついてたから、てっきりウクレレ本にもついてると思ったよ。といっても早とちりした私が悪い。背表紙にはちゃんとコード付き歌詞集とあって、だから中身を確認しなかった私がいけなかったのです。

メロディのわからない私にとって、この曲集は長くつじあやのプチ写真集でしかありませんでした。けど、そんなのつまらないじゃないですか。やっぱり歌いたくて買ったのですから、いつか曲を知って、歌えるようになりたい。そう思っていた私には、今回のダウンロードは実にいい機会になってくれて、そう、とりあえず一曲目の『風になる』から歌えるようにしようかね、とそういうつもりになったのです。

けど、私にあの雰囲気は出せないんじゃないかなあ。いや、つじあやのが女性で自分が男だからとか、そんな程度の話じゃなくてね、なにしろ私には別れうた唄の影があるとかないとか、そんなやつが歌った日には、この歌の持つ雰囲気、なんかリラックスした気分、素朴でふんわりとした曲調が重く湿っぽくなっちまうんじゃないかなあ。けど、実際もともとの曲、ポップで愛らしい、いい曲だと思うんです。大げさな感じなんかまるでなくて、等身大の気持ちが素直に出るとこんな感じになるのかなって、そういう歌。私もこんな風な歌が歌えるようになりたいものだなあ。明るくって、けどちょっとメランコリーもあったりしていい歌です。

この曲には2バージョンあるのですが、無印バージョンはポップさが強調されて、アコースティックバージョンはリラックスムード、等身大感覚が前面に出てきていると思います。どっちが好きかといわれると — 、どっちも好きかな。このふたつの感覚、決して対立するものじゃないと思います。どちらもとてもいい感じだと思います。

0 件のコメント: