2005年6月12日日曜日

春宵情歌

 今日は二胡との伴奏合わせで、でもってなんだか気分が中国風になってしまったので、『春宵情歌』なんぞを思い出して見ました。『春宵情歌』というのはなにかといいますと、『カードキャプターさくら』というアニメが昔ありましたが、それの劇場版で使われていた歌です。丹下桜の歌う日本語版とウヨンタナの歌う中国語版の二種類ありました。

この『カードキャプターさくら』というアニメですが、今から思っても音楽、特に主題歌に力を入れていたところがあって、非常に高品質の曲が多かったです。この劇場版のもうひとつの主題歌『遠いこの街で』も非常によい曲で、この香港活劇のサントラは私にとって、本当に当たりのディスクであったと思っています。

『春宵情歌』は、作りとしては非常にうまくて、日本人の考える中国歌謡のイメージを上手に捉えているところが憎いですよ。ピアノで奏される、イントロの下降アルペジオのフレーズは実に印象的で、そしてメロディや歌唱における節回し。こうした細部から、中国っぽさを感じさせるところはなかなかのものです。けれど全編を聞けば、中国的フレーバーを利かせているものの、やっぱりその当時の日本のポップスの、作り込まれた感じがひしひしとする。そうしたちょっと無国籍風を装っているところはとても面白く、そしてもちろんメロディが非常に美しいものだから、これはアニメだなんだというバックグラウンドを抜きにして、もっと聴かれてよい音楽じゃあるまいかと、私などは思うわけです。

さて、こっからどうでもいい話。

今日、『春宵情歌』で調べてみてはじめて知ったのですが、「コンプリート・ボーカル・コレクション」なんてのが出てたんですね。私、『カードキャプターさくら』の絡みのCD類は全部集めていたと思っていたのですが、おっとどっこい、一個大きいのを逃していた模様です。しかし、なんでなんだろう。というか、あの時期、どうやって新盤の発売とかの情報をつかんでいたのか覚えていないのですが、こうした強烈に宣伝を打ちそうな類いのものに気付いていなかったというのは、大きなポカであるといわざるを得ないでしょう。

限定二千部で、もはや美麗な新品の入手は困難と思われますが、こういうときに役立つのはオークションであります。で、私は、オークションに参加してはならない類いの人間で、というのはですね、買うと決めたら絶対買ってしまうからなんですね。どう考えてもその値段は高いというのに、そこまでの価値があるかどうかは疑問だと自分でも思っているのに、ええいままよと他の追随を許さんような高値を張って、しかも落札したら祝儀じゃといって周りの関連品をばんばか落札したりする。— あほですね。祝儀はいいとして、おんなじものふたつ落札することはないじゃないか。とまあ、こんな感じに、私にとってオークションは大変危険なのです。

で、さて、「コンプリート・ボーカル・コレクション」ですが、どうも私はその直前に発売された『主題歌コレクション』の時点で脱落していたようで、私、どうもこのジャケットには見覚えがあって、だからもしかしたら買ったのかも知れませんが、でも今うちのCDラックには見当たらなくて、だからやはりここで買うのをやめたのでしょう。いくらなんでもおまえら人の足下みすぎじゃと、頭に来たか切れたかはわかりませんが、もうつきあわんとばかりに買うのをやめたのかも知れません(ほんとかなあ、戸棚にしまい込んでるだけじゃないのか?)。

とまあ、そんな感じなので、私は「コンプリート・ボーカル・コレクション」も順当に見送ることでしょう。ええ、もう過去は振り返らんです。今までもなくて困らなかったんだから、これからも困りゃしないさ。

追記

遠いこの街で』のエントリを見て、あまりのさっぱりとした内容に驚きました。

『遠いこの街で』は、まさにこのBlogを書き始めて四日目の記事だったわけですが、当初はあんなにあっさりとしていたのか……。今の状況を見れば、まったくの落差に驚きを隠せません。というか、あの分量だから一日三十分程度ですんでたわけで — 、初心にかえろうかしら。

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