2004年11月17日水曜日

ガールフレンズ

  なんでか知らないのですが、最近友人に恋愛相談を持ちかけられておりまして、男性側の意見を求められているといったらいいのでしょうか。けれどそもそも、恋愛そのもののことにせよ男性としての意見にせよ、私に相談するのはどこか間違っているような気がします。

とはいいましても聞かれれば答えるのが私です。一通が二通になって、三通四通とメールをやりとりしているうちに思ったのですが、その人はどうも素直すぎるような気がするのです。よくいえば一途ですが、悪くいえば盲目的で、それゆえ一面的で複雑性に欠ける。それではよくないと思うのですね。なので、ちょっと山下和美の『ガールフレンズ』なんてすすめてみようかと思っています。

山下和美の漫画に出て来る人は、基本的に一途で素直で、けれど裏に含むものを持って、そこが魅力になっています。この、山下和美的裏面を友人関係のなかでクローズアップさせてみたのがこの『ガールフレンズ』で、やはり多面的に立ち回れる人というのは、男性女性問わず魅力であるなと再確認するのでした。

自分の欲しいもののために働いた友人への裏切り、友達に嫉妬してやまない卑屈さあるいは優越的にあることに発する傲慢さ。こうした、本来なら表に出したくない感情を、ときには自分自身にさえ隠してしまうような醜さを、はっきりと直視している人のなんと魅力的なことであるか。

作中の、自分の妻の卑怯な面を聞かされた男の科白、前より好きになったというフレーズに、私の意見は集約されているのではないかと思います。目の前にいる人が、ただ従順でかわいらしいだけの存在でないと知ったときに、愛憎含めてその人の本当に近づくことが可能になるのではないかと、私は思っています。そう、愛憎含めてというところが重要なんじゃないかと思っているんですね。

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