2020年4月25日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2020年6月号

 『まんがタイムきららフォワード』2020年6月号、昨日の続きです。

『ねことちよ』

カラーですよ。暖かみのある色合い。ちょっとセピア色。なんか懐かしい、そんな雰囲気もよいですね。

そして本編。誰かがくるのを待ってそわそわしているねこですよ。いったい誰を待ってるのかな? お、新しいお隣さん? と思ったら、それは予期せぬ来訪者でありましたか。待ってたのはピザ屋さん。お隣さんの赤金ふみさんは、なんかおっとりしたお姉さんで、でもそんな人でも人見知りしてしまうのがねこって子なんですね。

ねこがでかいの頼んじゃったもんだから、ねことちよふたりで食べきれそうにない。というので、さっそくお隣さんをおまねきして、一緒にピザを食べることになるんですが、お隣さんとちょっとずつ距離を縮めていくねこがですね、いいんですね。にゃんころもちってキャラクターが好きそうと気づいたら、自分の特大ぬいぐるみクッション持ってきて、あ、シャツも着替えたんか。自分からは話かけにくいから、お隣さんから声かけてもらえるようにしたんだ。こうしたねこの意図が可愛くて、そして髪ゴムのくだり、ねこ、お隣さんに焼き餅やいちゃったか! ほんと、ねこのこうした気持ちの動き? いろいろ? 可愛くてよかった。最後にちょっと反省するところ、それもよかったって思ったんですね。

『球詠』

野球部はお休み? そう思ったらヨミが息吹とバレーボールやってて、あれ? 転部なのかい? いやいや、そんなことないよね。なんと、一年生の紅白戦に助っ人で入ってるんだ。こうした他部との交流も面白い。ずっと駆けてきたこの子たちにとっての、しばしの休息期間。そんな趣もありますね。

今回のメインイベント、どーんときましたね! 柳大川越の決勝敗退に、思うところ複雑に揺れる希や相手校の強さなど、いろいろトピックありながらも、やっぱり一番に注目するのは新入部員でしょう。いや、違うか? いや、新入部員でいいのか。二年生! 経験者! 芳乃が手を見て興奮してるんですが、それだけでもう有望株だってうかがわせる。

この人、川原光、ポジションはピッチャー! ああ、投手層が厚くなりますね! サウスポー。その実力はいかなるものか。いよいよ投げようとするところで次回に続いて、この人の傾向、実力、これ、わくわくさせられますね。

『ちょっといっぱい!』

皆でお花見。公園に繰り出して、さあ目的地へ! って時に凪がワンコに懐かれちゃって、最初犬怖かったりしたのかな? みたいに思ったけど、全然違うね! めちゃめちゃ嬉しがってるね! ハートとか山ほど飛ばして、ああ、このいつも内気に、なにか感情を抑えがちの子が、こんなにも喜びあらわにするの、すごくいいなあ。そう思ったんですよ。

けれど、これが原因で迷子に。というか、店長たちもなんかハイになっちゃってたから、後続を確認せずどんどん先にいっちゃったんだな。でも今は携帯電話があるから、ちゃんと連絡とりあえて、迎えにきてもらえることにもなって、よかったよかった一件落着と思いきや、凪、小学生時分のつらかったこと思い出しちゃったのか……。

でも、今はもうひとりぼっちじゃなくて、隣にもみじもいて、ふたりなら迷子も寂しくない、そうした言葉に救われて、ああ、これまでのつらかったこと、これからもあるだろうつらいこと、それらもこうして誰かが一緒にいてくれれば、この子はきっと乗り越えられるんだろうって、そんなこと思わされて、ああ、この暖かな人たちの輪。それはどれほどに凪の、そして他の皆にとっても、大切な場所、自分を強くしてくれる支えとなってくれるものだろうか。

決して大仰にはいいたてないけれど、静かにそれぞれの気持ちに触れ、支えあっていることの伝わるような、いいエピソードでした。

『スローループ』

釣ったイワナを汁にするひより。慣れない料理、小春のためにといろいろ気を配ったり、煮えるまでコンロの前で待ちぼうけしていたり、そうしたところにこの子の一途さ、現れているようにも思えていいですね。

熱に浮かされる小春は、小さかった頃の入院の日を思い出したりして、ああ、こういうことありますね。母との思い出。何日もあえずにいたことちょっと不満に思っていた小春の、けれどあの時の気持ち、今はどうなのだろう。寂しさをともに目覚めた小春。今は、ひよりの存在がこの子にそっと寄り添って、母とは違うかも知れないけれど、安らぎや暖かさ、安心できる今を与えてくれるのでしょうね。

小春の発熱。これがためにいろいろ知ることのできた気持ちがあった。その穏やかに落ち着いて、いつもならちょっと気恥ずかしくて口にできないようなこともいえちゃってという、いつにない特別な時間。それが育む気持ちもあればこそ、どんな時間もしんしんと降り積もって、大切な思い出となっていくのだろう。だなんて思わされるのです。

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