2019年11月28日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2020年1月号

 『まんがタイムきららキャラット』2020年1月号、発売されました。表紙は『おちこぼれフルーツタルト』。メイド衣装のイノの膝に乗っているロコ。これ、赤頭巾っぽく見えるけど、マッチ売りの少女みたいですね。手にはマッチの入ったカゴを下げ、そして擦ったマッチから炎が立ち上る。そんなロコはというと、幻を見るでなく、フルーツ大盛りのタルトを持ったイノから、肩ごしにスイーツ食べさせてもらっているというんですね。見た目にちょっと重めの画面。若干ダークな印象も、またメルヘンって雰囲気させてくれますよね。悪くない、好みのテイストであります。

今月は新規ゲストが5本です。

『菓子工房メイモトとふたごのイモウト』。かつて親の反対を押し切りケーキ職人を目指し家を出た兄。その店に突撃したのがふたごのイモウト、蛍乃と風鈴。これ、最後に語れられた兄の本心からすると、最初、ふたりのこと気づかなかったというの、わざとってわけか。あえて気づかないふりして、さりげなく距離をとってというの、ふたりを置いて出ていった負い目とかなのかな。ともあれ、大きくなった妹ふたりを愛でる兄の姿。そこにケーキの知識もろもろが乗っかってくるって感じですね。また疎遠になっている実家、母との関係。それを埋めるチャンスを妹ふたりが運んできてくれた、みたいな要素もありました。ちょっと強引に、兄の店でバイトすることにしたふたり。今後、この甘い兄のもとでどんな風に振る舞うか。ふたりの活躍、兄の反応など、そこに注目集めます。

『No Color!』。主人公、魚住圭(たま)と幼馴染みのましろ。同じく友人のひなたと優月の4人でオンラインゲームに興じ日々クラフトに精を出すのだけど、たまとましろは無職。おっと、これ、読み進めるといろいろヤバいぞ。たまもましろも優月に寄生しとるのか。現実世界で仕事を持っている優月に、職探しの参考にするとだまくらかしてゲームソフト買わせるだけ買わせたたま。約束は不履行。日々いろいろとごまかしながら優月の家に暮らし、さらに食事の用意、家事その他もろもろも優月にやらせてるって、ほんとろくでなしだな。なるほど、優月は駄目な人にほだされるタイプなわけだな。そうした性格に付け込んでいるのがたまとましろ。とりわけたまがズルく立ち回ってる感じ。でも、この関係、ずっと続けるんだろうか。どこまでも、この関係続けて、いつか自立する時がこの漫画の終わり時? ともあれ、たま、この人、はやいうちになんとかせんといかんのではないか? そんな匂いがしますよね。

『のらくらメルヘン』。一人前のメルヘン。気になるフレーズが飛び出してきました。この学校で学ぶのは、皆なにかしらの能力を持った妖精の子たち。その能力を伸ばし、世界に夢と素敵を届けたい。けれど当座の問題は、この学校が統廃合の対象になってしまっていること。たしかに生徒も減ってさみしくなってしまったけれど、学校を存続させたい。そのために、皆で頑張って学校を有名に、人気にしようというのですね。ここで面白いと思ったの、主人公のメル、この子がまだ自分の特技がわかっていないってところ。これを無限の可能性ととらえるポジティブさ、そこにこの漫画のよさというのがありそうに思うのですね。実際これからメルの活躍? 成長? 描かれるなら、その行く先が知りたい。そんなこと思わせてくれるところありましたよ。

『ネコかぶネット』。動画サイトで配信やってるJKネットアイドルのみゃんたん。結構人気があるっぽいけど、本人は乗り気ってわけじゃないのか。そのキャラクター、口調、なにもかもが気恥ずかしい。なのに配信続けてるのは、仕事に疲れ果てた姉を元気づけるためなんだ。これ、健気な妹だなあ! というよりも、ヤベえ姉さんだな! って印象の方が強い。強引に妹に頼み込み、台本まで用意。お膳立てされたままに配信してみれば、人気は出たけど、本人はもう恥ずかしくてしようがない。しゃべってる途中で羞恥ゲージがマックスになってじたばたもがきはじめるところとか、面白いな。この、自分が自分の演じてるキャラに耐えられなくなる感じ。つりこまれるようにして笑ってしまいました。妹はわりと辛辣なところあるんだけど、それでも姉のためにと、自分を押し殺して頑張ってるところね、悪くないと思います。それでも踏ん切りつかない。まだまだ恥ずかしいってところ、いいアクセントになってると思います。

『パニッシュメントスクール』。漫画に出てくる学校では、生徒会や風紀委員会が絶大な権力有してたりすることありますが、本作はそのへんをさらに強調してみたって感じ。風紀委員ならぬ学校警察、学警なる組織があり、校則に違反すれば確保、牢につながれてしまうっていうんですね。落ち着きがないせいで、ちょくちょく投獄されてるっぽいのが主人公忍海木乃香。この子と友人たちが、学警から自分の領域を守ろうと抵抗する? そんな戦い描いた漫画、といったらちょっと大げさにいいすぎですね。生徒会長が、学内に、いや寮にかな? 文学ライブラリー(BL)を構えてるんですね。そこにガサが入って没収されてしまった。さあ、いかにして取り戻そうか、というんですが、学警は学警でそこまで強行姿勢ではないみたいなところも見せたりして、バランスとってる感ありますね。とはいえ、文学ライブラリーは取り戻せるんでしょうか。今のところ無事みたいだけど、この行方について語られること、ちょっとないっぽい雰囲気。できれば徹底抗戦。敵対まではいかなくていいから、うまく出し抜いたり出し抜かれたりみたいな動きあるとよさそうですね。

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