2019年11月5日火曜日

『まんがタウン』2019年12月号

 『まんがタウン』2019年12月号、発売されました。表紙は『部長と2LDK』。主役ふたり、東藤子と西菜々が揃ってお出迎えといった風なんですが、いや出迎えちゃあいないか、ともあれふたりのタイプの違いが表紙イラストからもビシビシ伝わろうってものですよ。ほがらか? 笑顔がぺかっと可愛い菜々と、どこまでもクールな東部長。このふたり、同居でどんな風に変わっていくのかってのがもう楽しみでなりませんよね。感化される部長、そいつを見たいのですよ。

今号は新規のゲストが1本です。

『わが家デイズ』。3号連続ということで、まずは導入といった具合。田舎に暮らしている一家、そこの息子、末っ子長男が家を出て東京にいくっていうんですね。これに父と長女が動揺するのか。家を継ぐと思ってたって、ということは家業があるのん? 農業? 父母祖母姉ふたりそして弟の6人家族。その末っ子が家を出る。さらには次女も結婚で家を出る。その刻限は半年後。このギリギリまで黙ってたの、大騒ぎになるからっていうのがおかしくて、そうか、母も祖母も知っとったのね。けど、こうしていろいろいってくる父。なんだろう、過干渉かなあ、みたいに思っとったら、最後にはちゃんと背を押してくれるのな。こういうところ、よかったよな。なんだかんだで認めてくれている? その気持ちも尊重してくれている。ひとしきり騒いだ後、月下穏やかに語りあう様子。これは本当によかった。いい関係が見えてきたって感じです。

『新婚のいろはさん』。今回は早倉哲子回とのこと。友達と一緒にアイススケートやりにきて、でも滑れない。そんなこの子の、人との関係、それをちょいと見ていくといったエピソード。部の友達ともどう接したものか、そんな不器用さ? まだこなれてない感じもあるんだけど、たまたま同じリンクに遊びにきていた始いろは夫妻に出会って、気づかれて、挨拶して、そこまでの課程、友達といろいろ話したり、勇気出して夫妻に挨拶したり、それがね確かにこの子を変えた。ちょっと一歩、踏み込みが、これまでできなかったことを可能にする。そんなことをスケート滑れるようになった早倉でもって描いていたと思うのですね。これはほんと、いい話でした。その後の話も、この子のまだまだ変化していく余地、踏み出していく領域はあるんだよってな様子がね、いろいろ期待させてくれるじゃないですか。こうして変化していく、伸びていく様、やはり見ていて気持ちがいいんですよね。

『平日休みの堀出さん』。いやあ、ほんま振り回された回でしたよ。人類滅亡ごっこやりたさに、平日、人の少ない遊園地を攻めたふたり。しかし少ないにもほどがあるというか、ほんとにお客ふたりだけ? あまりに人がいないから、なんだか物足りなく思ったり、かと思ったら年齢制限あるアトラクション、ちびっ子いないからと交渉して思う存分遊んでみたりとかね、ああ、なんだ、楽しそうじゃんよ。そうか、あれ、エグい筋肉痛になるのか。知らなかった事実だ。でもね、この楽しかった気分がね、ついてくれていた遊園地スタッフのお爺さんの言葉、もうあまり長くやれないっていうの聞いてね、一気に切なくなっちゃった。なんとかして金使うぞって、つぶしたくないなってその思いにね、ほんと共感する。そう思う場所ってあるよなあ。なんて思ってたら、なんだよその落ち、さすがだな! 台無しにしてきたよ! この読後感。ものさびしさはなくなったけど、すごく微妙な気分だよ! ほんと、ふたりの感じてる思い、それが読者にも押し寄せて、これはすごかった。さすがです。

『レトロゲーとかマジウケる!』。最終回なのかーっ! っと、え? なになに、単行本売れたら復活するの? ああー、売れて欲しいなあ。この漫画、結構面白くって好きなんですよ。で、最終回というか第一部のしめくくり、すごいゲームを取り上げてきましたよ。『星をみるひと』と『マインドシーカー』。美咲とゆかりが買ってきた福袋に入ってたっていうんですが、いやもうそれが酷い罠で、でもこれ、現実にもある罠ってのがまた複雑だよなあ。ここぞという局面で、ここぞというのぶつけてきたって感じですが、そのどちらも、話には聞いたことあるけどプレイしたことのない筆頭みたいなゲームで、筆頭がふたつもあるんかって感じですが、超能力開発するゲームとか、ほんと常軌を逸してるよなあ。そして、ゲームシステムがこの上なく酷いやつ。あのゲーム、こんなだったんだ! ってのけぞって、軽く検索してみたら、この漫画に描かれている以上に酷い模様……。すごいな、ほんと、すごいな……。でも、これでもなんか楽しそうに遊んでるのがいいですよね。まあ、福袋のおまけだもんな。これら、真面目に当時、正札で買ってたりしたらこうもいかんよな、とは思うのだけど、こうして時がたてば、酷いものでも酷い酷いと楽しめるものなのかもなって、そんな感想。いや、でも、こうして一緒に挑戦できる誰かがいるから楽しいんだろうなって。そんなこと思わせてくれるのは、美咲やゆかり、そしてよしおじといったキャラクターが、まるで一緒に遊んでる、そんな近しさを感じさせるからだろうって思うのですね。

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